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ファンタジー&ジュヴナイルを中心とした自作小説です

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「フフッ。山梨くんのカラダ、描き甲斐があるものね。首筋から鎖骨にかけてのラインとか胸筋と腹筋のバランスとか縦長のお臍に引き締まった腰とか――最高に素敵よね。ああ、後ろ姿のセミヌードもたまらないわね。思わず指でなぞりたくなるような歪みのない背骨もそそるけど、ウエストとお尻の境界なんてまさに目眩くファンタスティックゾーンよ! フフフフフフフッ」
 ビッショウ様が邪な欲望を垂れ流し、唇の両端をつり上げて微笑む。
 ぶ、不気味というか――怖いわ!
 どうしてルイさんと同じ笑い方をしてるのに、ルイさんは爽快かつ典雅に見えて、ビッショウ様はこうも魑魅魍魎的な感じがするのかしらっ!? ……謎だわ。
「確かに、山梨くんのウルトラミスティックボディに傷がつくのはいただけないわね。ルイルイがジョナられるためにも蘭ちゃんの暴挙は阻止しないと! そうね……蘭ちゃんに絡まれたくなかったら、零ちゃんか朗ちゃんの傍から離れないことね。下二人の弟の前だと絶対に怒らない――っていうか怒れないから、蘭ちゃん」
 脳内で山梨くんのセミヌードでも思い描いているのか、ビッショウ様は微かに頬を紅潮させ、山梨くんに秘策を伝えた。
 そうか、極度のブラコンだからどんなに山梨くんの存在が許せなくても『いいお兄ちゃん』を無意識に演じてしまうね、蘭伽さん……。
「朗太は寝てるかもしんねーけどな。イチバン安全なのは、間違いなく咲耶の傍にいることだけどなー。蘭伽も璃稀もぜってー寄ってこねェから!」
 ルイさんが力強く断言し、ゲラゲラと豪快に笑う。
 ホントに曽父江兄弟に畏れられてるのね、ビッショウ様……。
「間違いないわね。じゃあ、私も一緒に帰るわ。――よろしく、山梨くん」
 ビッショウ様は勝手に話をまとめると再びスケッチブックに鉛筆を走らせ始める。山梨くんのセミヌードでも描いてるのね……。
「――ハイッ! わたしもご同行させて下さいッ!」
 不意に南海が挙手する。もう一方の手は、大量のティッシュで鼻を押さえていた。
 今までやけに大人しいと思ったら、ルイさんと山梨くんの会話やビッショウ様の山梨ボディ考察とかを聴きながら妖しい妄想に耽っていたのね! 
「曽父江ブラザーズが全員揃っているトコロ、見てみたいですっ! そして、超高級車だと噂の山梨くんの車に乗ってみたいです!」
 ギャッ、コッチがヒヤヒヤするほど大胆よ、南海ィィッッッ!!
 ソレ、絶対山梨くんの高級車に乗るコトが第一の目的よね!
 車内を隈無くチェックして、後でBLマンガのネタにするんでしょ!?
 超アイドル様の車に乗りたいだなんて、南海じゃなければズケズケと言えないわよ!
「ええっっ!? 弟子もかよ!? オレ、今の車、スゲー気に入ってんだけど! 穢されたくないんですけどっ!」
「乗れねーワケじゃねェんだし、細かいコトは気にすんなよ。ちっせー漢だな」
 ルイさんの呆れた眼差しが山梨くん注がれる。
「フフフッ、この美祥寺腐妄子様が特別に運転してあげましょうか? 南海ちゃん助手席で、ルイルイと山梨くんはバックシートでアレコレしていてもイイのよ」
「ソレはしてみたいけど――ってか、免許持ってるのかよ、腐妄子ッ!? いや、免許あっても絶対運転なんてさせないからなっ! ハンドル握りながらスケッチしそうで、スゲー怖いし!」
 山梨くんがビッショウ様の提案にギョッと目を剥く。それから何かを観念したように同乗を認め、重苦しい溜息を落とした。
「――解った。乗ってもイイけど、オレが運転するから二人は大人しくしてろよ」
 山梨くんに念を押され、ビッショウ様と南海は殊勝に頷いた。
 ……けど、多分アレは今だけのポーズで、山梨くんの車に乗り込んだ瞬間、二人揃って爛れた妄想を炸裂させるに決まってるわ。
 ちゃんと運転に集中できるとイイわね、山梨くん……。
「――で、沙羅ちゃんはどうする?」
 ルイさんのサファイアのような双眸が急にコッチに向けられたので、あたしは思わずドキッとしてしまった。いくら見慣れてるとはいえ、不意打ちのようにルイさんの綺麗な顔に見つめられるのは――心臓に悪い。
「えっ? いえ、あたしは今夜は遠慮しておきます。皆さんで楽しんできて下さい」
 お誘いは嬉しいけど、メンバーの顔触れ聞いただけでも賑やかなパーティーになりそうだし、南海も鼻血噴きまくりそうだし――イケナイアレコレを目撃したくもないのにしちゃいそうなんだもの……!
 あたしは絶対に妖しの森には足を踏み入れないわよ!
 未知の世界は、死ぬまで未知の世界のままでいいのよっっ!!
 ――ってか、正直、山梨くんやビッショウ様や南海とようやく別行動することが出来て、小躍りしたい気分です!
 やっと……本当にやっと六楼さんと二人きりになれるチャンスが巡ってきたわ!
 あたしが喜色を滲ませた瞳でチラと六楼さんを見上げると――以心伝心らしく、彼も控え目な笑みを返してきた。
「あっ、そっか。――だよな」
 珍しくルイさんまであたしの心の機微を察してくれたらしく、したり顔でウンウンと頷いている。
 ――ルイさん、お馬鹿な山梨くんと腐女子悪魔二人をよろしく頼みます!
 ちょっぴり不安だけど、あたしは心の中でルイさんに必死に念力を送った。
 六楼さんと二人きりのクリスマス!
 正確にはクリスマス前哨戦だけど――とにかく二人きりになれるのが物凄く嬉しいわ!
 六楼さんと二人だけの静かな夜――
 キャーッ! あたしのクリスマスナイトはこれからよ!

 時よ、早く過ぎ去れ!


 さっさと帰らないかなぁ、山梨くんたち。



 
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2011.02.15 / Top↑
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