ファンタジー&ジュヴナイルを中心とした自作小説です

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 視界に白い砂浜が現れる。
 ディス人と攻防を繰り広げているカケルたちの姿も、しっかりと視野に飛び込んできた。
 一瞬にして、危地に陥っていることを思い出す。
 ミシェルは慌てて我に返った。
 隣にはミスミの姿がある。彼はミシェルを抱いたまま、浜辺まで上がってくれたのだ。
「あ、ありがとう、ミスミ」
 急いで礼を述べ、ミシェルは彼の腕から擦り抜けた。
 こんな時じゃなければ、もっと丁寧にお礼を言うのだが、今はそんな余裕もない。カケルとラギはまだ戦っているのだ。
「わたし、戦わなきゃいけないの」
 ミシェルの言葉に、ミスミは無言で頷いた。だが、彼は海へ帰ろうとはしなかった。ミシェルの前に立ち、先に歩き始めてしまったのだ。
「ダメよ。あなたは海へ戻らなきゃ!」
「ミツメ、エモノ――ボク」
「ちょっと待って! ディス人の狙いって、あなたなの?」
 ミシェルは驚き、悲鳴じみた質問を発しながらミスミに駆け寄った。
 しかし、彼は何も答えてはくれない。彼の澄んだ碧眼は真摯な光を宿し、ディス人たちを見据えていた。
「大丈夫なのか、ミシェ――!?」
 ミシェルを一瞥したカケルの双眸が、ギョッと見開かれる。
「オイ、何で、アクア人がいるんだよっ!?」
「助けてもらったんです」
 簡潔に応じると、カケルはそれ以上追及せずに敵に向き直った。
「ミスミ、ここを動かないで」
 ミスミの腕を強く掴み、彼の歩みを止める。彼の前に進み出てから、ミシェルは改めてカケルに視線を流した。
「隊長、予備の銃はありますか?」
「あるわけないだろ! ついでに、俺の銃はエネルギー切れ寸前だ!」
 カケルからは怒鳴り声が返ってきた。
 銃がなければ、カケルとラギを援護することもできない。
 ――ディス人から奪うしかないわけね。
 速やかに決断し、鋭利な眼差しでディス人たちを見回す。
 すると、不思議なことに気がついた。敵はミスミの存在がひどく気になっている様子で、忙しない視線を彼に注いでいるのだ。
「あっ、最悪。オレ、エネルギー切れ」
 ラギが緊迫感のない声で告げる。
 カケルの舌打ちがそれに続いた。
「くそっ、俺もだ……!」
「おや? 奴ら撃ってこないよ」
 拍子抜けしたようなラギの声に、ミシェルは気を引き締め、観察眼を強めた。
 ラギの指摘通り、ディス人たちは何かを思案するように目線を交わし合っている。
 不意に、その視線が一斉にミスミに集中した。
「隊長、ディス人の狙いはアクア人です!」
 ミシェルの叫びを合図としたように、ディス人たちはエアバイクを唸らせ、一気にカケルとラギを飛び越えた。
 ――ミスミを護らなきゃ!
 咄嗟に身構える。
 だが、武器がなければエアバイクを駆使するディス人には敵いそうにない。
 どうしたものかと歯噛みした時、眼前で金色の閃光が炸裂した。



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2009.06.21 / Top↑
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