ファンタジー&ジュヴナイルを中心とした自作小説です

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 ――何か来る。
 尋常ではない神経が、闖入者の来訪を捉えた。
 櫻町由羅は、安芸の首を絞める腕の力を僅かに緩めた。
 ――何か……誰か来る!
 それも、大きな神通力を持つ者が。
 由羅は神楽宮神社の社殿に視点を当て、きつく眉根を寄せた。
「兄さん――?」
 胸が、締め付けられるようにキリキリとした痛みを発した。
 眼差しは吸い付くように社殿だけを凝視している。
 ――来たっ!
 強い神力の波動を感じた刹那、社殿が黄金色の光を発した。
 幾つかの《神族》の気配――その中に、自分に最も類似したものが混ざっている。
 自分が一族を裏切ってしまったばかりに、その責任を負わされ、一族の非難を集中砲火のように浴びたであろう、大好きな、大好きな――
「……兄……さん――」
 自分でも驚くほど乾いた声が喉の奥から絞り出されるのを、由羅は聞いた……。


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2009.07.27 / Top↑
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