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ファンタジー&ジュヴナイルを中心とした自作小説です
Mon
2009.06.01[00:23]
     *

 時を同じくして、園田充と徳川直杉の両者も水妖の脅威に晒されていた。
 彼らは南階段を伝い、一気に一階まで駆け降りた。
 しかし、一階に到着した彼らを待ち受けていたのは水妖の恐怖だったのである。
 ポタリ……ポタリ……。
 天井から青く輝く水が滴り、廊下に不吉な水たまりを造っていた。
「オイオイ、マジかよっ!」
 真っ先にそれを発見した充は、驚きに足を止めた。
「先回りされたか」
 直杉の口からは忌々しげな声が放たれる。
 ポタリ……ポタリ……ポタッ、ポタッ……ポタポタ……ポタポタポタポタッ!
 二人の姿を認識したためか、水妖は急激に落下の速度を上げた。
 見る間に、廊下に青白い膨らみを造形してゆく。
 一所に集結した水妖は、その場で一度ブワッと天井まで伸び上がり――そして、弾けるように分裂した。
「うわっ、気持ち悪い。これってゲームとか映画の世界じゃないのかよっ!?」
「残念だが、現実だ。潔く諦めろ」
 二つに分かれた水妖が、充と直杉に向かって別個に突進を開始する。
「勘弁してくれよな。どうする、直杉?」
「どうするも何も――振り切るしかあるまい」
 直杉の口元に苦笑が刻まれる。
 それを合図に、二人は敏捷に廊下の両端に分かれた。
 二人の目前には、冷光を放ちながら波打つ奇妙な物体が迫っていた。

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テーマ * 学園小説 ジャンル * 小説・文学
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