ファンタジー&ジュヴナイルを中心とした自作小説です

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 しとしとと降り続ける雨の音だけが、校舎に響いていた。
 旧校舎の四階――美術室の窓から噴水を眺め降ろし、水妖は口元に冷笑を刻んだ。
『どんな悪夢が、あなたたちを出迎えてくれるのかしら』
 脳裏には四人の少年少女たちの姿が浮かび上がっている。
 皆、分身たちの攻撃を受け、意識を失っているはずだ。
 水妖は聖華学園の制服を纏った手を、窓から外へ差し出した。
 青い燐光を放つ半透明の掌を、雨粒が虚しく擦り抜けてゆく。
『あなたたちの心の闇にも、きっと悪夢が潜んでいるはず……。ショックで心臓が停止するほどの悪夢だといいわね』
 水妖はそっと瞼を落とした。
 残忍な笑みが、少女の整った顔に凄みを加える。
『さあ、眠りなさい。残酷な夢の中で、永遠に――』


      「8.残酷なゆりかご」へ続く



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2009.06.01 / Top↑
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